買い物だけじゃない。人と人がつながる『三起屋』【土岐市】

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子どもを連れてのお買い物。必要なものを買うだけで精一杯で、気づけば慌ただしく帰宅…なんてこともありますよね。

今回訪れた土岐市の『三起屋』は、そんな“買い物をする場所”のイメージを少し変えてくれる場所でした。館内には食料品や日用品の売り場はもちろん、休憩スペースやゲームコーナー地域の人が集うコミュニティスペースもあります。

どこか懐かしい雰囲気が残る館内。その一方で、「つながるBASE」や「つながる本棚」「つながる保健室」など、人と人とのつながりを生み出す新しい取り組みも進められています。買い物のためだけではなく、誰かと出会ったり、少しほっとしたり。今回は、地域に愛されてきた『三起屋』が目指す、新しい居場所づくりについてご紹介します。

目次

買い物だけじゃない。地域の人が集う『三起屋』とは?

『三起屋』は、地域の人たちの暮らしを支える商業施設。館内には食料品売り場をはじめ、日用品なども並び、毎日のお買い物に便利なお店です。

ですが印象的だったのは、施設全体に流れる“ゆったりとした空気感”。急いで買い物を済ませるだけではなく、休憩スペースでひと息ついたり、地域の方同士が会話を楽しんでいたり。子育て世代から高齢の方まで、幅広い世代が自然と集う姿がありました。大型商業施設とはまた違う、地域に寄り添ったあたたかさを感じられる場所です。

三起屋』ならではの、あたたかな居場所

地域の人が自然と集まる「つながるBASE」

『三起屋』の中でも特に印象的だったのが、フリースペースの「つながるBASE」。椅子に座って少し休憩したり、飲み物を飲みながらひと息ついたり。この日も、地域の方が自然と集まり、会話を楽しむ姿がありました。壁には写真展が飾られていて、思わず立ち止まって見入ってしまう場面も。施設の中に、地域の文化や人とのつながりが溶け込んでいるような空間です。

さらに、スペース内にはミニ卓球台も2台設置。買い物ついでにふらっと立ち寄り、ちょっと遊んでいくこともできます。子連れのお客さんが水分補給をしたり、おやつを食べたりしている姿もあり、どこか“地域のリビング”のような雰囲気を感じました。持ち込みもOKとのことで、店内で購入したものを食べるのも自由。「ちょっと休んでいこうかな」と思える、やさしい空気が流れています。

本を通して地域とつながる「つながる本棚」

「つながるBASE」の中には、“つながる本棚”も設置されています。こちらは、本を通して地域の方同士がゆるやかにつながれるスペース。本の譲渡コーナーもあり、誰かが読んだ本が、また次の誰かへと手渡されていきます。思わず気になる本を手に取ったり、「こんな本あるんだ」と会話が生まれたり。ただ本を置くだけではない、“人とのつながり”を感じる本棚でした。

からだのこと、こころのこと、ちょっと気になることを気軽に相談できる「つながる保健室」

「つながるBASE」で気になるイベントを見つけました。その名も「つながる保健室」。店長の小久保さんのお話によると、「つながる保健室」は、月に1回、月末の土曜日ごろに開催されている、誰でも参加できる地域の交流イベントとのことです。子育てのことや日々の暮らしのこと、からだやこころのことなどを気軽に相談できる場として開かれており、地域の人と話したりしながら、世代を超えてゆるやかにつながれる場として親しまれているそうです。会場には、子どもも参加できるワークや体験コーナーのほか、ネイル体験やハンドケアなど、大人がリフレッシュできるブースも並びます。内容は開催ごとに異なり、これまでには、みんなで折り紙や折り鶴を折る企画も行われたそうです。「ここに来れば誰かに会える」そんな『三起屋』の居場所づくりを象徴する取り組みのひとつとなっています。

キッチンカーや作家さんの出店イベントも開催

『三起屋』では、不定期でキッチンカーや地域作家さんの出店イベントも開催されています。地域のお店や作家さんと出会える機会があるのも、地域密着型の『三起屋』ならでは。「今日は何かやっているかな?」と、ふらっと立ち寄る楽しみがあるのも素敵ですよね。お買い物だけではなく、人や地域との出会いも楽しめる場所になっていました。

『三起屋』店長 小久保映里さんにインタビュー!

“買い物する場所”だけではない『三起屋』の新しい取り組みについて、コミュニティスペース「つながるBASE」を立ち上げた店長 小久保映里(こくぼえり)さんにお話を伺いました。

–『三起屋』って、昔から地域の人に親しまれていた場所なんですよね。

小久保さん(以下:小久保) そうですね。昔は地元の方はもちろん、中津川や恵那の方も、「名古屋まで行かなくても楽しめる場所」として来てくださる百貨店でした。衣料品だけでなく、飲食店やおもちゃ屋さんなどがあり、ヒーローショーや芸能人を招いたイベントもありました。

ーそこから、かなり変化があったんですね

小久保 そうなんです。時代の変化と共にお店のスタイルも変わっていきました。『休日に特別に遊びに行く場所』というより、『日常に寄り添う場所』に変化していったと感じています。お客様によっては昔の状態を懐かしむ方もみえます。そこで大きな転換点となったのが1階一等地のアパレル区画の終了です。それが、この場所です。

ーつながるプロジェクトは、そこから始まったんですか?

小久保 はい。アパレル区画が終了したあと、次の活用が決まっていなかったんです。しかも、ご覧のとおり、ここは、食品売場前の“一等地”で多くのお客様の目に触れます。白い幕だけ掛かってる状態だと、このお店を大事に思ってくださっているお客様方を不安な思いにさせてしまうなと思って。

ーすごく象徴的なお話ですね。

小久保 ありがとうございます。もちろん本業は、服や雑貨を売ることなんですけど“場”そのものが持ってる力ってあるなと思っていて。ここに来ると安心するとか、誰かに会えるとか、ちょっとほっとするとか。そういう場所にしたかったんです。

ー最初に始めたのは何だったんですか?

小久保 「つながる写真展」です。土岐商業高校さんに相談したら、土岐サイダーのPR写真を展示してはどうかって提案していただいて。写真部の子たちの作品を使わせてもらいました。

ー「つながる写真展」の後も、いろいろな取り組みが増えていったんですね。

小久保 そうですね。「つながる本棚」も始めました。地域の方が「一緒に作りたい」って声をかけてくださって、『三起屋』のスタッフだけじゃなく、地域の人と一緒に作った本棚なんですよ。

ー地域の方も関わっているんですね。

小久保 そうなんです。“つながる”っていう名前の通り、人と人が自然につながっていく場所になったらいいなと思っていて。本棚のノートには、小学生の子がメッセージを書いてくれたり、高齢の方が感想を書いてくださったりしていて。世代を超えて交流が生まれているのが嬉しいですね。

ー「つながる保健室」という取り組みもされているんですよね。

小久保 はい。2025年7月から始めました。こちらも、きっかけは「町の保健室をつくりたい」という地域の方の声でした。最初は“お悩み相談”的なイメージもあったんですが、いきなり深い相談ってハードル高いんですよね。だからまずは、ハンドマッサージだったり、ちょっと体をほぐしたり、“まずほっこりしてもらう”を大事にしています。介護や福祉に関わる方々が中心になって開催してくださっているんですが、「ここに来れば誰かに会える」、そんな居場所のような空間になってきているなと感じています。

ー今後、つながるBASEをどんな場所にしていきたいですか?

小久保 今はまだ、設備的にも「こういうことができたらいいな」って思うことはたくさんあります。子ども向けのスペースだったり、もっと過ごしやすい場所づくりだったり。でも、大きく何かを変えるというよりは、まずは「ここに来るとなんだか安心する」とか、「誰かに会える」とか、そういう空気を大事にしていきたいなと思っています。実際に、午前中は高齢の方が集まっていて、夕方になると小学生が宿題をしたり卓球をしたりしているんです。世代が自然に混ざり合う場所って、今は意外と少ないのかなと思っていて。買い物だけじゃなく、人とのつながりだったり、ちょっとほっとできる時間だったり。そんなものが自然と生まれる場所として、これからも育てていけたら嬉しいです。

『三起屋』店長 小久保映里さん

百貨店に14年間勤務し婦人服を担当。その後、環境系コンサル会社、Webマーケティング会社勤務を経て、株式会社 岐東ファミリーデパートに入社。店長 兼 総務開発部長を務める。自店のコミュニティスペースによる地域活性に取り組む。

子育て中でも利用しやすい!三起屋ママ・パパに嬉しいポイント

地域の暮らしを支えてきた『三起屋』には、親子にうれしい気配りが随所に感じられます。

雨の日でも安心の立体駐車場

小さな子どもを連れてのお買い物は、駐車場からお店に入るまででもひと苦労。『三起屋』には立体駐車場があるため、雨の日でも天候を気にせず移動しやすいのが嬉しいポイントです。立体駐車場から直結するエレベーターホールも広々としており、ベビーカーや荷物が多い日でもゆったり移動できます。

小さな子も楽しめるエレベーター&エスカレーター

館内には、窓の外を見ながら乗れるエレベーターも。景色を眺めながら移動できるので、小さなお子さんも気分転換しやすそうでした。また、エスカレーターも比較的落ち着いて利用しやすい印象。子どもと一緒の移動でも、慌てすぎずに過ごせる空気感があります。

授乳室&おむつ替えスペースも完備

3階にある、”赤ちゃん休憩室”には、授乳室とおむつ替えスペースがあります。ピンク色のベビーベッドが置かれ、最新設備が並ぶ大型施設とは少し違い、どこか懐かしい雰囲気。おむつ替えスペースには専用のビニールとおむつ入れが置かれており、おむつを持ち帰らなくていいのも嬉しいポイント。ちょっとしたことですが、子育て中にはありがたい配慮ですよね。

各階に休憩スペース&ベンチがあるのも嬉しい

子どもとのお買い物は、思っている以上に体力勝負。「ちょっと座りたい…!」という瞬間、ありますよね。『三起屋』には各階にベンチや休憩スペース、自販機が設置されており、買い物途中にひと息つける場所がしっかり用意されています。実際に訪れた日も、地域の方がゆったり休憩していたり、飲み物を飲みながら会話を楽しんでいたり。“急かされない空気感”があるのも、『三起屋』ならではの魅力だと感じました。子どもの水分補給をしたり、少しおやつを食べたり…。ちょっと立ち止まれる場所があるだけで、親の気持ちもかなり違いますよね。

多目的トイレやおむつ替えスペースも完備

1階には多目的トイレがあり、おむつ替えシートも設置されています。さらに印象的だったのが、女子トイレ内にも男の子用の小便器が設置されていたこと。兄弟連れや、小さなお子さんを複数連れている時にも利用しやすそうで、細かな配慮を感じました。

“子連れで利用しやすいかどうか”は、実際に行ってみないと分からない部分も多いもの。そんな中で、『三起屋』には親子で安心して過ごせる工夫がたくさんありました。ですが、『三起屋』の魅力はそれだけではありません。地域のお店として日々の買い物を支えるだけでなく、思わず立ち止まりたくなる売り場や、ちょっとした楽しみもたくさんありました。

便利さだけじゃない、『三起屋』の魅力

便利さだけではなく、思わず立ち寄りたくなる売り場や、ちょっとした楽しみがあるのも『三起屋』の魅力です。

園や学校用品も揃う

園や学校で必要になる用品がまとまったコーナーもあり、「明日これいる!」という急な持ち物にも対応しやすいのが嬉しいポイントです。

思わず足を止めたくなる婦人服売り場

『三起屋』には、毎日の買い物ついでなど、生活の延長線の中で自然と立ち寄れる婦人服コーナーがあります。店内の服は、それぞれのバイヤーさんが一つひとつ選んだもの。長年衣料品を中心に品揃えしてきたからこそのセンスが受け継がれています。田舎のスーパーとは思えないような、質感やデザインにこだわったアイテムも並び、中には「これがこの価格で?」と思うようなお値打ちなものに出会えることもあります。元・有名百貨店勤務の店長の感覚も活かされており、普段のお買い物の中で、百貨店のような気分を楽しめるのも魅力です。

季節ごとのディスプレイも魅力

また、スタッフの方のセンスが光る季節ごとのディスプレイも魅力的。思わず立ち止まって眺めたくなるような売り場づくりに、地域のお店ならではのあたたかさを感じました。

実は穴場?!気軽に楽しめるゲームコーナーも

館内には、ゲームコーナーガチャガチャエリアも。最近では珍しく、100円で遊べるゲームもあり、子どもたちが気軽に楽しめる空間になっていました。大型モールのゲームセンターほど大規模ではありませんが、その分「ちょっと遊んでいこうか」がしやすい、どこか懐かしい雰囲気。買い物の合間に立ち寄れる、親子に嬉しいスポットです。

『三起屋』に行ってみた!

実際に子どもと『三起屋』に行ってみました!

いつもは買い物に行くとすぐに「帰りたい~」となる子どもたちですが、ちょっと遊べるスペースや、体を動かせる場所があり、普段の買い物と少し違った時間を過ごせました。買い物だけで終わらず、親子でゆったり過ごせるのも『三起屋』の魅力だと感じました。

『三起屋』アクセス

所在地:岐阜県土岐市泉町久尻42-11

アクセス

  • JR土岐市駅から徒歩約5分
  • 中央自動車道「土岐IC」から車で約10分

駐車場:無料駐車場あり(平面駐車場、立体駐車場)

営業時間:

月〜土 10:00〜20:00

日 9:30〜20:00

※店舗・フロアにより異なる場合があります

電話番号:0572-55-5501

SNS: Instagram公式LINE

まとめ

かつて、地域のお出かけスポットとして親しまれていた『三起屋』。時代とともに地域の暮らしが変化する中、『三起屋』も日々の暮らしに寄り添う場所として、新しい歩みを続けています。「つながるBASE」をはじめとした取り組みは、“買い物をする場所”という商業施設の役割を超え、人と人が自然につながる場所を育んでいました。

店長の小久保さんからは、「三起屋を地域の人が自然と集まる居場所にしたい」という熱い想いが伝わってきました。地域の方や学校、作家さんなど、多くの人を巻き込みながら新しい取り組みを形にしていく行動力と、それを押しつけることなく、自然と人が集まってくるような温かな空気づくり。その姿勢からは、地域への深い愛情と、これからの三起屋の大きな可能性を感じました

子ども連れでも立ち寄りやすく、地域の人がほっとできる空間。大型ショッピングモールとはまた違う、地域のお店ならではのあたたかさが、『三起屋』にはありました。「ここに来れば誰かに会える」。そんな場所が、これからも地域の中で大切に育まれていくことを願っています。

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この記事を書いた人

岐阜県東濃地区で小学生を育てるママです。
家族で楽しめるお出かけスポットやお店、子どもの育ちにつながる場所を、実体験を交えながら紹介しています。
親子での毎日が少し楽しくなるような情報を届けられたら嬉しいです。

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