【関市】子育て世帯こそ知っておきたい現代の「性教育」の基本『花助産院』

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子育てをしていると、いつか必ず向き合わなければならないテーマがあります。それが「性教育」です。少し前までは“思春期になったら一度だけ学校の保健体育で教えるもの”という風潮でしたが、現在はそうではない考え方も徐々に広がりつつあります。乳幼児期から段階的に伝えていき正しい知識を得ることで不本意な選択を迫られる状況を減らしていく、自分の身を自分で守る知識を持つことが大切だという考え方も少しずつ浸透してきています。今回は、子育て世帯の性教育について再認識していくとともに、性教育を通して命の大切さを教えている『花助産院』助産師のまついせいかさんにお話を聞きました。

目次

子育てにとっての性教育の重要性

性教育は、子育て中の教育の中でも後回しにされがちです。しかし、本当は最優先で扱うべきテーマと考えられます。命を守る教育でもあり、円滑な人間関係を築くための知識、性教育の重要性について挙げていきます。

自分の身は自分で守る

自分の身体について、「デリケートな場所がある」「人から簡単に触られてはいけない場所がある」など、幼児期から正しい知識を持つことで、触られたくない時ははっきりと断る、大人からの不適切な接触を回避できるなど、自分の身を自分で守ることができるようになります。

自己肯定感の土台になる

自分の身体について正しい知識を持てると、恥ずかしさや劣等感を抱えにくくなり、誰にでも起こり得る思春期の身体の変化も前向きに受け止められることができます。人と比べて落ち込むことや性に関する不安や罪悪感を抱える必要もなくなり、「自分は大切にして良い存在だ」と考えられるようになります。性教育とは、体の説明だけではなく「自分を尊重する感覚」を育てる教育 でもあります。

人間関係・恋愛・結婚まで影響する

性教育を受けてないまま大人になると、「自分は大切にするべき存在」だときちんと認識できないこともあるかもしれません。そうなると、

  • 「NO」を言えない
  • 恋愛で境界線を引けない
  • 無理な関係を続けてしまう
  • パートナーと適切にコミュニケーションが取れない

こんな問題が起こることも考えられます。性教育は、人間関係の中で「どう生きるか」の教育でもあるのです。

ネット時代の被害防止に

今はスマホがあれば、世界中の人と簡単に接触できる時代です。SNSを始めるようになれば、わいせつ画像を要求されたり、性に関する誤情報を得たり、歪んだ性行為のイメージが刷り込まれてしまうこともあります。スマホを持てば、小学生でもこのような危険が身近に潜んでいます。家庭で性教育をしておかないと、子どもは「正しい情報」をどこからも得られず、結果、同年代の噂や動画で歪んだ知識だけを身に付けてしまいます

親子関係が強くなる

性教育を丁寧にしている家庭とそうでない家庭では、親子間の“話しやすさ”に明らかな違いが出てくるでしょう。性について「恥ずかしいことではない」と認識していれば、子どもは生理や体の変化、人間関係や恋愛の悩みなども気兼ねなく親に相談できるようになります。ただでさえ距離ができやすい思春期でも、性教育はその壁を薄くしてくれる効果があるでしょう。

ジェンダーについて正しく認識する

多様性が進み、「LGBTQ」や「セクシャルマイノリティ」という言葉も浸透してきました。今は自分のジェンダーについて何も疑問に思っていないように見えるわが子も、いつか当事者になり葛藤を抱えるようになる可能性は十分にあります。また、親も子もきちんとジェンダーについて偏見や先入観のない知識を持っている方が、この先の社会では柔軟で豊かな人間関係を築くことができるでしょう。

現代性教育の伝道師、助産師・まついせいかさんにインタビュー!

― 学校を卒業されてからずっと助産師としてお仕事をされてきたとのことで、20年くらい…ですか?

まついさん(以下まつい) そうですね。大学を出て看護師と保健師の資格を取って、その後専門学校で勉強して助産師の資格を取りました。助産師として18年ですね。

― 何か助産師になろうと思ったきっかけがあるんですか?

まつい 保育園のとき、祖母の家で遊んでいるときに、たまたまドキュメンタリーの自宅出産シーンを見たことがって、すごく釘付けになったんです。その様子をみていた祖母が私に、「産婆さんになるのもいいかもね」というようなニュアンスで声をかけてきたんです。保育園児だった私にはいろいろと衝撃で、助産師についてたくさん質問したことを覚えています。助産師という仕事を知って憧れが芽生え、卒園アルバムの将来の夢の欄には「助産婦になりたい」としっかり書いていました。

― へー!そんな頃から。

まつい そうなんです。大人になってから卒園アルバムを見たときには、自分でも驚きました。保育園児のときに祖母から、助産師になるためには看護師の資格が必要だと聞いていたので、助産婦と看護婦は一緒なんだなぁとなんとなく理解してましたが、家族に医療関係がいなかったのでそんなにピンと来なくて…。幼かった私には助産師としての自分がイメージができてなかったんだと思います。将来の夢として助産師一筋ではなかったように思いますが、魅力は感じていました。

― でも、保育園の頃からずっと心に残ってたんですね。

まつい そうですね。ずっと心のどこかで、助産師が気になっていたんだと思います。高校3年生のときに友人が看護体験に参加すると聞いたとき、私も迷わず参加を決めました。そこで「看護の仕事は楽しい!向いてるかもしれない」と感じました。人に尽くしたりサポートしたりする仕事が楽しいと思えたんですよね。周りからは活き活きとしてると言ってもらえるように、今では助産師が天職だと思えるので、高校生の私に「看護体験に参加してくれてありがとう」と伝えたいです。

― 今は助産師としてお一人で開業されてますが、何かそこに至る流れがあったんですか?

まつい 私は第2子を出産したときに産後特有のホルモンバランスの崩れもあって、とてもしんどい思いをしました。上の子の赤ちゃん返りや育てにくさを感じてプレッシャーや自責の念を感じながら、家事育児でやることが多すぎてどんどん疲弊していきました。助産師として日常的に身についていたおむつ交換でさえも、頭が回転しなくて、「おむつ交換をしないといけないのはわかるけどどうやって替えるんだっけ…」とフリーズしてしまうくらいで。

― そこまでですか…。

まつい 第3子にして初めて乳腺炎になったときも、「助産師なんだから自分で対処しないと」と思い込んだりして。頭の中には子どもや将来の心配事が常にグルグルしていて眠ることもできない…。今思えばSOSを出せばよかったと思いますが、当時は「これくらい自分でやるべき」と自分で自分を追い込んでいたんだと思います。助産師でもこうなるんだから、新生児の育児に不安を感じているママにとってはサポートがいかに大事か痛感しました。

― 3人、4人となると、大変さは計り知れないですね。

まつい 第4子を出産後、育児が落ち着いてきた頃に、ふと、産後直後の私にも身近に相談したり頼れる存在が必要だったなって思ったんです。私のようなママが他にもいるかもしれないし、そのほかの内容で困っているママがいるかもしれない。そういったママの助けになりたい、前向きに育児に取り組めるようになったらもっともっと幸せだよね、と強く思いました。そこで、産後のママのために母乳ケアと産後ケアに重点を置いた助産院を開業しようと思ったんです

― 「性教育に力を入れよう」と思ったのは何かきっかけがあったんですか?

まつい 長男が予想より早い生後8か月のときにおちんちんケアが必要になり、恐る恐る教わりながら進めた記憶が強く残っていたのもありますが、長女が生まれたときに、男の子より配慮が必要だなと実感したことがありました。例えば、川遊びやプールで着替えるとき、更衣室が込み合っているからと、効率を考えるあまり十分に身体を隠すことができないまま着替えをする場面がありました。すると、男の子のときには感じなかった視線を感じて、自分の認識が甘かったことを反省したと同時に「親としてもっと子どもに配慮して守らないといけない」と感じたんです。

― 確かに大事なことですね。

まつい 親がいない場面でも子どもが性被害にあわないよう、「自分を大切にできる子」であってほしいと思いました。自分を守るために「いやだ」ということは素敵なこと。その必要性を身に着け、実践できる強さを持ってほしいと思っています。そのためには、親が意識的に介入する必要があると思うんです。というのも、世代的なこともありますが、助産師としてお母さんたちとお話したときに、「恥ずかしい気がして話題にできない」「親から聞くより先生からの方が素直に聞くよね」「そういうの学校で教えてほしい」という声をよく聞きます。その気持ちもとてもよく分かります。だけど、「学校任せにするのは違うんじゃないかな」と。子どもにとって一番身近な「おうち」で取り組むことが重要だと感じたんです。子どもの性に関して、親も当事者意識をもたないといけませんよね。

― なるほど。

まつい ただ、先ほどお話したように、親世代の皆さんが子どもの性について関心がないという訳では決してなくて、自分たちも性について教わっていないからどう介入したらいいかわからなかったり、なんとなく恥ずかしさが勝ってスルーしている、といった方もいらっしゃいます。思春期になって家庭で話すのはハードルが高いです。だけど、「誰か任せ」にはならないでほしい。子どもの性についてどうにかしたいと思った気持ちを大切にして、それをを最高のチャンスだと感じて欲しいんです。なので、子どもに対しての講座ではなく、まずは「1番身近な大人が変わらなきゃ」っていうお説教みたいなことが第1ステップになってます。

― 親が意識できれば子どもも自然と身に着きますよね。

まつい 私の性教育で1番大事にしているのは、「自分の体を大事にする」ということです。性教育は幼少期からスタートがベスト。でも、思春期から始めても遅くはないし、どの年代のお子さんにどう向き合うかを伝えていくことが私の役割だと思っています。「自分の体を大事にできる子、そして相手のことも大事にできる子」が増えれば、ひとつの大切な命を意識して、望むべきタイミングで妊娠出産を選択できると思いませんか?

― そうですね。『性教育』という名前にはなっていますけど、命の大切さを教える授業って感じですね。

まつい そうなんです。子どもが性について悩んだときに、まず相談する相手が親であるためには、日ごろからの親の関わりがとても重要だと思います。私も親になってひしひしと感じますが、子どもに大事なことを伝えるとき、信頼関係があってこそだなと。お子さんの年齢に関わらず、親として「うちもどうにかしないと」と危機感を持ってくれたら、そこから先は良い方向に大きく変わっていきます。「うちは関係ないから」とか「うちの子は大丈夫」というのが一番危険ですよね。短期間でできるものではないけど、性教育がより身近であればあるほど、親も子どもも性に関してさらに生きやすくなると思います。

― 私の世代だと性の話はタブーって意識がやっぱりまだ残っていたり、少しずつ意識が変わっていってる感覚があります。それでいうと、ジェンダーの話などはまついさんの性教育の範囲に入っているんですか?

まつい はい。ジェンダーはすごく大切で、講座の後半はジェンダーについて語ります。ジェンダーって耳にしたことがあっても、どこか他人事のように感じるところがあると思うんです。実際ジェンダーについて質問したときに、詳しく回答される方はとても少ないです。自分の性に対する定義というか、自分の性についてまだはっきりと認識していないお子さんに向き合うためには、親があらかじめジェンダーについて理解し心の準備しておく必要があるんです。もしも、親に性に関する固定概念があったら、良かれと思って子どもと向き合ったとしても、それが押し付けであったり、子どもの求めるものではなかったときに信頼関係は築けませんよね。もしかすると、「やっぱりわかってもらえなかったな」とか「もう相談するのやめよう」といったことに繋がり兼ねないし、せっかくいい関係を築こうとしたのにとても悲しいことなので、そうなってほしくないなと思います。

― 難しいところですね。

まつい だから、多様性について「知ること」と「受け止めること」。簡単なようで我が子となるとさらに難しいと思います。だからこそ、知らない状態で子どもに向き合うのはリスキーだなと感じてほしい。もしも、自分の子から性的マイノリティーについて相談があったときに、戸惑うかもしれないけど、受け止めて上げられたら、きっとその子は安心します。そのための備えをして欲しいです。

― 本当にどうしていいかわからないですけど、本当に大事なことですもんね。

まつい LGBTQ+という言葉が浸透し始めてきた今、自分の性的マイノリティーに悩む方がいらっしゃるかもしれない。でも考え方を変えると、自分は何者か分からずに悩んでいた自分の属性が見つかったとしたら、生きやすさに繋がる可能性もありますよね。

―そうですね。生きやすさを感じられたら、 「幸せ」にも繋がりやすいですよね。

まつい そう。幸せの元をたどると、命を大切にすることに繋がると思うんです。ひとつの命を大切にできる連鎖が繋がればいいですよね。自分を大切にできて、相手も大切にできる。そして、もし妊娠・出産を望むなら、望んだタイミングや自分にとってのベストを選ぶ力を持つこと。自分の性について自分で納得して決められたら、そたぶんそれがその人たちの「幸せ」なんだと思います。

― なるほど。では最後になりますが、なんでもご自由にメッセージをどうぞ。

まつい 本当にしんどい時でも、なんとなくしんどい気がする時でも、「私より大変な人がいるはず」「まだ大丈夫」とは思わないで欲しい。あなたにとって少しでも「違うな」とか「しんどい」と感じるなら、頑張る場面じゃないんだよと気づいて、助けを求めて欲しいです。どんなに小さなことでも大丈夫、話を聞いてほしいとか、モヤっとしてることがあったら、産後入院中にナースコールを押すような感覚で助産師を頼ってください。できるだけあなたにとってのベストな方法でサポートしていきます。助産師だけじゃなく、保健センターとかでも、相談すればあなたのために動いてくれます。相談することにためらわないでください。「助産師は身近な存在だよ」ということをママたちに知ってほしい。お部屋もそのままで大丈夫、すっぴんパジャマのままでも大丈夫、ヘルプはお気軽に!!

― ありがとうございました。

まついせいかさん

看護師、助産師、保健師。4人のママ。
大学病院、クリニックに助産師として勤務後、フリーの助産師として活動開始。
これまでの分娩件数は600件。
岐阜市・関市の訪問助産師として活動中。

『おうちでできる性教育講座』にお邪魔しました!

今日の会場は山県市で麹料理教室を開かれている平田真由美さんのご自宅です。テキストと資料の本が置かれていて準備万端!講座開始です!

この日はインフルエンザの流行で3人キャンセルが出てしまいマンツーマンに。和やかに、時にはまついさんの熱い語りで進んでいきます。今日は麹教室とのコラボでランチ付き。包丁の小気味いい音も響き渡っています。

性教育の絵本から解説付きで内容の紹介もあり。テキスト付きで復習もバッチリできますね。とても学びになる良い時間でした♪

『花助産院』概要

花助産院は訪問専門の助産院です。産前産後の相談、ママ同士の繋がりイベントの開催など幅広く活動中です。

提供サービス:妊婦さん向けケア、母乳ケア・授乳指導、産後ケア、ベビーシッターなど

料金: 相談料3,000/時間~、詳しくはホームページでご確認ください。

ホームページhttps://www.hanajosanin.com/

SNSInstagram公式LINE

イベント情報

『おうちでできる性教育講座』花助産院 × МFLORAコラボレッスン

場所:山県市某所

日時:1月21日(水)10:30〜13:00(自由解散)(毎月開催)

駐車場:有

講師:まついせいか(性教育)、平田 真由美(麹料理)

お問い合わせInstagramDM、公式LINEホームページのお問い合わせフォームから

まとめ

『性』に関しては長くタブーと扱われてきました。しかし、今は正しい知識を持つことが“自分を守り、人と繋がるための基本”になっています。性教育は命と安全を守る力を育て、ジェンダー教育は自分らしく生き、他者と健全に関わる力を培います。この二つが揃うことで、子どもは社会の中で自分を大切にしながら、周りの人も尊重できる“土台の強い人間”になるでしょう。何歳からでも大丈夫。親も子も「今から」がベストタイミングです。少しずつ始めていきましょう。

今回お会いしたまついさんは、朗らかながらもテキパキシャキシャキとしたお人柄で、芯の通った頼もしさを持つ方でした。不安を抱えるママさんには“相談しても大丈夫”と思える存在となるでしょう。性教育や産前産後だけでなく、ときには子育て以外のお悩みでも大丈夫。困ったときはお気軽にお問い合わせくださいね。

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この記事を書いた人

岐阜で子育てをしている、岐阜へ訪れる子育て中の方々へ、岐阜の魅力を伝えるブログサイトです。岐阜で子どもと一緒に楽しめるスポット、育児のお役立ち情報、親子で楽しめるイベント情報、子連れで通いやすいサロンや子育て中でも働きやすい求人情報まで、子育てをもっと楽しめる情報を発信しています。

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